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アーサー・ラッカム 「クリスマス・キャロル」6
MIDI:チャイコフスキー 『くるみ割り人形』より グラン・パ・ド・ドゥ アダージョ

Arthur Rackham, "A Christmas Carol"6.
MIDI : Pyotr Ilich Tchaikovsky, Grand Pas de Deux Adagio feom "The Nutcracker"



おはなし6

 「私の時間は残り少なくなった。急げ!」
 過去のクリスマスの精霊は言いました。そして再びスクルージは過去の自分のを見ました。それはさらに年を重ね、働き盛りの男になっていました。その顔は年をとってからのきつい、けわしい顔ではありませんでしたが、用心深さと貪欲さが現れ始めていました。
 そのスクルージは一人ではありませんでした。傍らには、喪服を着た美しい娘がいて、その目には涙があふれていました。
「たいしたことじゃないのよ。あなたにとっては。私以上に夢中になるものができた。それだけなの」
「君以上に夢中になるものってなんだい?」
「金色に光るものよ」
「君も世間の奴らと同じだね!貧乏人にはつらくあたるくせに、金儲けをしようとしたら、これまたひどく責めるんだから」
「私たちが婚約したのはずっと昔だわ。今よりずっと貧しくて、でも、まじめに働いていれば、いつかきっと運が向いてくると信じて、それなりに満足していた頃のことよ。あなたは変わったわ。私は考えた末に、あなたを自由にしてあげることにしたの。あなたは後悔するかもしれない。でも忘れるわ。あなたが好きだったから、どうかあなたが選んだ人生が幸せでありますように」
 そうして娘は去っていき、二人は別れました。

「精霊様!やめてください。お願いです。私を家に連れて帰ってください。私を苦しめるのがそんなに楽しいのですか?」
「あと一つ、見せるものがあります」
「いいえ、もうけっこうです。見たくありません」
 けれど精霊は容赦なくスクルージの両腕を締め上げ、次の情景を見せました。

 それは大きくも豊かでもないが、いかにも居心地のよさそうな部屋でした。冬の日の暖炉のそばに、かわいらしい少女がいました。さきほどの娘とそっくりなので、スクルージは最初同じ娘なのだと思いましたが、この子の向かいに座っている美しいお母さんに気付きました。実はこちらがさきほどの娘、スクルージの恋人だった娘だったのです。
 室内はびっくりするほど、にぎやかでした。たくさんの子ども達が大騒ぎをしていました。そして、母と娘はそれを楽しげに眺めていました。そのうちに娘の方は子どもたちの遊びに加わりましたが、小さな山賊たちにつかまり、もみくちゃにされました。

 楽しそうな家族たちを見ながらスクルージは、自分もあの中に入りたいと思いました。
 そんなことを思っていると、ドアを叩く音がしました。たちまち子どもたちは戸口に殺到しました。
 娘は服装を乱したまま笑いころげながら、顔をほてらせ、大騒ぎしている子どもたちにはさまれるようにして戸口に運ばれ、父親を出迎えました。