絵画:アーサー・ラッカム 「ケンジントン公園のピーター・パン」13
Arthur Rackham, "Peter Pan in Kensington Gardens" 13

MIDI:ネッケ 「クシコス・ポスト」
MIDI : H.Necke, Csikos Post.
MIDI提供:Carol





 
おはなし13

 ピーターはさっぱりわけが分からないながらも、妖精たちが自分に会うと、みんなが逃げ出してしまうことに気がつきました。
 毒きのこをのこぎりで切っていた労働者の妖精たちは、道具を放り出して逃げていくし、乳しぼりの妖精たちは、おけを伏せてその中に隠れてしまうしまつです。

 まもなく公園中が大騒ぎになりました。

「人間がいるそ。人間がいるぞ」
「“しめだし時間”をすぎたのに人間がいるぞ!」

 ピーターには、自分が妖精たちが騒いでる、当の人間だとは思いも寄らないことでした。
 自分を見ると逃げ出してしまう妖精たちに愛想をつかしたピーターは、今度は鳥たちに聞いてみようと思いました。
 ところがピーターは気になることを思い出しました。さっきピーターが、ぶなの木にとまった時のことです。前にとまっていた鳥が全部飛んでいってしまったのです。その時は分かりませんでしたが、ピーターもようやく分かりました。妖精たちだけでなく、鳥たちも、みんながみんな、ピーターを避けているのです。