MIDI: Richard Wagner, Das Reingold, Scene I. 神々の長、ヴォータンがまどろんでいるところ、妻で結婚の女神フリッカが揺り起こします。 彼女は妹で愛の女神フライアのことで、ヴォータンをなじりに来たのです。 ヴォータンは巨人族の兄弟ファーゾルトとファフナーに、石づくりで巨大な城、ヴァルハラを建設させました。そして巨人兄弟に、その報酬として女神フライアを与えるという契約を交わしていたのです。 そこに巨人兄弟に追われたフライアが逃げてきます。そんな彼女を、雷神ドンナー、喜びの神フローが助けようとします。 元々ヴォータンは約束など守るつもりはありませんでした。 約束を迫る巨人兄弟にヴォータンは、この契約を勧めた火の神ローゲに考えがあるはずとして、ローゲに事態の収拾を図らせようとします。 そこへ現れたローゲは、ニーベルング族の小人アルベリヒがラインの黄金を奪い去ったことを皆に話し、黄金を守っていたラインの乙女たちが指環を取り戻してほしいと願っていることを伝えました。 ニーベルング族とは確執のある巨人たちは財宝の話に引き込まれます。ローゲは今なら愛を断念せずとも寺宝を手に入れるのは簡単だと言ってのけます。 「盗むのですよ。泥棒が盗んだものを盗むのです。」 巨人兄弟はフライアの代わりに、その報酬でがまんしようと言い、それまでの質にとフライアを連れ去ってしまいます。 青春の女神フライアの作る若返りの林檎が食べられなくなった神々は、にわかに老け込んでいきました。 意を決したヴォータンは、ラインの黄金を手に入れるため、ローゲを案内人にたて、ニーベルング続の住む地下へと降りてゆきました。