絵画:アーサー・ラッカム 「Father Christmas」
MIDI:賛美歌103番 「牧人ひつじを」
Arthur
Rackham, "Father Christmas".
MIDI : The First Noel
サンタクロースの本といえば、「サンタクロースっているんでしょうか? 」
アメリカで実際にあったお話です。
八つの女の子が、新聞社に宛てた一通の手紙、
「サンタクロースっているんでしょうか? 」
そして、記者が少女に宛てた返事です。
Editorial Page, New York Sun, 1897
Dear Editor:
I am 8 years old. Some of my little friends say there is no Santa Claus.
Papa says, "If you see it in The Sun, it's so."
Please tell me the truth, is there a Santa Claus?
Virginia O'Hanlon
Yes, Virginia, there is a Santa Claus.
He exists as certainly as love and generosity and devotion exist, and you know that they abound and give to your life its highest beauty and joy. Alas! how dreary would be the world if there were no Santa Claus! It would be as dreary as if there were no Virginias. There would be no childlike faith then, no poetry, no romance to make tolerable this existence. We should have no enjoyment, except in sense and sight. The external light with which childhood fills the world would be extinguished.
<1897年9月21日 ニューヨーク・サン新聞「社説」>
きしゃさま
あたしは八つです。
友だちに「サンタクロースなんていないんだ。」っていっている子がいます。
パパにきいてみたら、
「サンしんぶんに、といあわせてごらん。しんぶんしゃで、サンタクロースがいるというなら、そりゃもう、たしかにいるんだろうよ。」と、いいました。
ですから、おねがいです。おしえてください。サンタクロースって、ほんとうにいるんでしょうか?
バージニア=オハロン
そうです、バージニア。サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありません。この世の中に、愛や、人への思いやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです。
あなたにもわかっているでしょう。──世界にみちあふれている愛やまごころこそ、あなたのまいにちの生活を、うつくしく、たのしくしているものなのだということを。
もしサンタクロースがいなかったら、この世の中は、どんなにくらく、さびしいことでしょう!
あなたのようなかわいらしい子どものいない世界が、かんがえられないのとおなじように、サンタクロースのいない世界なんて、そうぞうもできません。
サンタクロースがいなければ、人生のくるしみをやわらげてくれる、子どもらしい信頼も、詩も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし、わたしたち人間のあじわうよろこびは、ただ目にみえるもの、手でさわるもの、かんじるものだけになってしまうでしょう。
また、子どもじだいに世界にみちあふれている光も、きえてしまうことでしょう。
中村妙子訳 「サンタクロースっているんでしょうか? 」より
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赤い服のサンタというイメージは、アメリカの風刺画家トーマス・ナスト (Thomas
Nast, 1840-1902)の絵からだと言われています。
ナストの描いたサンタクロースは、1863年に「ハーバーズ・イラストレイテッド・マガジン」誌上に登場し、その後さまざまな雑誌に掲載されて、人気を博しました。 |
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