絵画:アーサー・ラッカム 『マザー・グース』より 「ジャック・スプラット あぶらがきらい」
MIDI:J. S. バッハ フランス組曲第4番 メヌエット

Arthur Rackham, "Jack Sprat Could Eat No Fat" from 'Nursery Rhymes'..

MIDI : J. S. Bach, French Suite No.4 in Eb, Menuet, BWV815.




 Jack Sprat could eat no fat,
  His wife could eat no lean,
 And so betwixt them both, you see,
  They lick'd the platter clean.

 ジャック・スプラット あぶらがきらい
  そのおくさんは あかみがきらい
 だからごらんよ なかよくなめて
  ふたりのおさらは ぴかぴかきれい

                     (谷川 俊太郎 訳)



 この唄は、もともとは「ジャックとジル」という夫婦が主人公の格言だったそうです。Jack Sprat というのは、17世紀「小人(dwarf)」という意味で使われていました。そしてこの唄は、当時背の低かったプラット大執事(Archdeacon Pratt)とその妻ジョーン(Joan)をからかって作られた唄だという記録が残っています。

 さて、脂身が食べられないジャックは痩せていき、脂身が好きな奥さんは太ってしまいます。そんなことから英語圏で「ジャック・スプラットとその奥さん(Mr. and Mrs. Jack Sprat)」といえば、「痩せた夫と太った妻」というイメージなのだそうです。アーサー・ラッカムは、そんな夫婦を誇張して、漫画的に描いています。