絵画:アーサー・ラッカム 『マザー・グース』より 「ばらのはなわを つくろうよ」
MIDI:『マザー・グース』より 「ばらのはなわを つくろうよ」

Arthur Rackham, "Ring-a-Ring O'Roses" from 'Nursery Rhymes'.
MIDI : "Ring-a-Ring O'Roses" from 'Nursery Rhymes'.





 Ring-a-ring o'roses,
 A pocket full of posies,
 A-tishoo!
 A-tishoo!
 We all fall down.

 ばらのはなわを つくろうよ
 ポケットには はなびらいっぱい
  はっくしょん! はっくしょん!
 みんないっしょに しゃがもうよ
                     (谷川 俊太郎 訳)



 子どもがちが手をつなぎ、輪になって回る、人気のある唄です。
 この唄の起源は、1665年にロンドンに流行したペスト禍 (The Great Plague)のことではないかという説があります。
 一行目の「ばらの花輪」がペストにかかった時に現れる発疹、2行目の「ポケットの花」がペストを防ぐための薬草、3行目の「くしゃみ」が病気の末期症状で、最後に「みんな倒れて」死んでしまうということだそうです。
 けれどこの唄が文献に最初に登場するのはケイト・グリーナウェイの『マザーグース』(1881)で、マザーグースとしてはそれほど昔のものではなく、ペスト発生時とは離れているので、無関係だという説もあります。


Kate Greenaway, Ring-a-Ring O'Roses (1881)